2.5GHz帯争奪戦

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071011-00000058-zdn_m-mobi
オープンワイヤレスネットワーク、ワイヤレスブロードバンド企画、アッカ・ワイヤレス、そしてウィルコム。計4社が2.5GHz帯事業免許申請を行った(ウィルコムは9月に申請済み)。なんだか似たような分かりづらい名前が揃っているが、つまりはドコモとKDDI(au)とソフトバンクウィルコムの陣営がそれぞれ申請したことになる。ただ、この帯域の事業免許は30MHzの範囲を2つ、つまり2社しか認可されないという。
この2.5GHz帯は携帯電話の規格の中では最も高い周波数帯となる。これ以上の周波数帯はほぼ全て用途が決定しているのだ。(詳しくは総務省が公開している資料を参照。) 各社は是が非でもこの周波数帯を押さえておきたいだろう。何故かというと、次世代の携帯電話通信規格である『4G』、その超高速通信―50Mbps〜1Gbps*1を使うためには2GHz帯以上の高い周波数帯がどうしても必要となってくるからだ。場合によっては光ファイバー通信をも凌ぐこの速度は驚異的だ。だが、もちろんこんな通信速度を叩き出した場合、Wikipediaの第四世代携帯電話にも記述がある通り、電池の消耗も半端ではなくなってくるだろうし、それと同時に取得したデータに対して十分なバッファ、高速なメモリ、それを処理するための高速なCPU(のようなもの)も必要になるはず。正直なところ携帯では荷が重いし、そんな大量のデータを扱うことになるとも思えない。そんなに高速な通信速度が必要なのか?という話になってくる。
そこで注目なのが今回申請を行った4社の中身、出資会社。独自で申請を行ったウィルコムを除いて全ての会社にISPが存在する。まぁ当然といえば当然かもしれないが、50Mbps〜1Gbpsという場所を選ばない(基地局次第ではあるが)高速通信は携帯以上のクラスのモバイル利用に打ってつけなのである。今現在一般に普及しているADSL光ファイバーの通信速度を超える規格、しかも場所を選ばないとしたら、どうだろう?例えば、PCのUSBポートに何らかの機器をちょっと刺すだけでどこでも、どんな機器でも100Mbpsのインターネット通信が可能だとしたら?これはちょっとググッとくる話だ。今後の動向に注目しておきたい。


10.12追記 - 第四世代携帯電話での通信速度はあくまで予定であり、正式に規格化はされていない。今現在、2.5GHz周波数帯を使用するWiMAXの規格では70Mbpsとなっている。

*1:ドコモの実験によると5Gbpsを達成したという